2024年のマーケティングトレンドに関する5つの予測

どの年にも、マーケティングの手法と対象を決める際の参考になるいくつかのトレンドがあります。繰り返し発生するトレンドもあれば、まったく新しいものもあります。マーケティングの傾向や消費者の嗜好の変化を把握することで、長期的な成功の基盤が生まれ、リーチを広げられるほか、ターゲットオーディエンスとの関係を強化できます。

では、2024年はマーケティング活動の焦点をどこに当てるべきでしょうか?この記事では、2024年の主要なマーケティング予測をご紹介します。

1.今後も人工知能が力強く発展

2023年の世界を席巻した生成AIですが、その勢いが衰える兆しはありません。多くのビジネスにとって、この技術は事業運営と顧客関係の管理において不可欠なものとなりつつあります。マッキンゼー社の調査によると、経営者の55%が、AIはマーケティング戦略の最適化に大きな影響を与えると予想しています。お客さまとのチャットやコンテンツ生成といった幅広い機能をこなすAIにより、事業におけるマーケティング活動がより簡単で効果的なものになっています。

チャットボットやマーケティング自動化ソフトといったAIツールへの投資は、マーケティング戦略の強化や、他の業務に費やす時間を確保することにつながります。

2.持続可能性と倫理の重要性

事業における持続可能性と倫理の重要性は、2024年も高まり続けると予想されます。お客さまが自分の価値観に合った店舗やサイトで買い物をしたいと考えていることは言わずと知れています。カンター社の調査によると、米国在住者の3分の2近くが自分の価値観に合ったブランドを望むと回答したことが明らかになっています。さらには、世界各国を対象にした調査によると消費者の80%が、自分が重視する理念を掲げている企業から購入しようと「努めて」いると回答しています。ビジネスの価値観を発信することで、的確な顧客層にアピールし、既存のお客さまとの関係を深めることができることが考えられます。

もし、自身のビジネスが、二酸化炭素排出量の削減や気候変動の影響緩和のために何か取り組みをしているなら、マーケティングでその点を強調していきましょう。もしくは、何らかの社会貢献に誇りを持って取り組んでいるなら、マーケティングチャネルでそれを発信する場所を確保しましょう。ただし、特定の価値観を発信するときは、その価値観に沿った行動を取る必要があることに注意してください。消費者は「パフォーマンス的な」支援活動に敏感になっており、非難の声が上がりやすいことも事実です。誠実なマーケティング活動を行い、それを裏付ける行動を心がけましょう。

3.検索ボックスから他の手段へ

TikTokのようなSNSプラットフォームから、Googleのような従来のプラットフォームまで、お客さまはさまざまな検索方法を簡単に利用できます。このため、お客さまの検索手段にかかわらず、ビジネスを効果的にアピールできる場所を確保しておく必要があります。Googleが公開したデータによると、毎月120億件の検索が、画像による検索機能「Google Lens」によって行われていることが明らかになっています。さらには、statista社は、2024年には80億件以上の検索が音声アシスタントによって行われると予測しています。Googleビジネスプロフィールに正確な情報を記載して最新の状態に保つこと、ネットショップに高品質の画像を充実させておくこと、また自社のウェブサイトのSEOをアップデートすることは、検索に音声や画像を使用するお客さまにアプローチすることにつながります。

SNSに関しては、ハッシュタグやインフルエンサーを用いたマーケティングがおすすめです。Googleの調査によると、若い世代の約40%がTikTokやInstagramを使用して新しいレストランを検索しています。地元のインフルエンサーとのコラボレーションを実現したり、「#パスタランチ」などのハッシュタグを使用して短いコンテンツにキャプションを付けたり、プロフィールにジオタグを付けたりすることで、的確な客層に向けて事業をアピールできます。

4.動画は短いほど効果的

CNNによると、普通の人が画面に集中できる平均的な時間はたったの47秒です。このデータを踏まえたうえで、お客さまの注意を引きつけ続けるには、短い動画に充実した内容を盛り込むのがよいでしょう。この法則は、短いキャプションから短いマーケティング映像まで、あらゆるものが該当します。2024年は、YouTubeやTikTokなどの短い動画のプラットフォームを戦略的に使うことが不可欠となります。お客さまがよく利用するプラットフォームを特定したうえで、動画によるマーケティング戦略を実施すると、オンラインのオーディエンスとの接点づくりと集客につながります。

また、短い動画はお客さまとの信頼関係を築き、他社との差別化を図るのにも役立ちます。多くの場面でデジタルファーストが進むこの時代に、短い動画は、加盟店さまの店舗やサイトで購入するべき理由や他の事業との違いをアピールしたり、来店することで得られる価値を強調したりできます。2024年にお客さまに向けて発信するメッセージとマーケティングにおける目標を定めたら、動画を通じて発信する方法を探してみましょう。

5.体験の年

イベントや体験といった新しい収益源を事業に取り入れることで得られるメリットは、金銭面だけではありません。マーケティングの新しい方法としても効果的です。米・Squareが2024年に発表したレポートによると、レストラン経営者の55%が、ライブ音楽やゲームナイトなど、新しいイベントを開催してみたいと考えています。体験の提供を事業の軸に定め、マーケティング戦略でそれを強調することで、他店との差別化を図り、新しいものを求めているお客さまにアプローチできます。

これは、小売業にも当てはまります。米・Squareのデータによると、チケットやイベント、レッスンを販売する小売業者は、第2四半期に前年同期比で10%増加しました。レッスンやイベントへの招待、ゲーム型の体験といった需要の高い体験を導入することで、体験型のマーケティング戦略を活用し、新規のお客さまにビジネスをアピールして顧客基盤を拡大できます。

マーケティングが進化し続けるなか、重要なことは、お客さまという最も大切なものに焦点を当て続けることです。事業が必要としているもの、それによって達成できそうなこと、お客さまに最大のメリットをもたらすものは何かを考えてみましょう。お客さま第一の視点に立ち、目新しいトレンドを取り入れた信頼のおける戦略を実践することで、マーケティングのメッセージがお客さまに明確に伝わり、意図したとおりの効果をもたらします。


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執筆は2024年5月2日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash